文化講演会を行いました
9月17日(土)に兵庫県立美術館館長の蓑 豊氏をお迎えし、貴重なお話をお聞きすることができました。
蓑氏が語られた子どもたち、若者へのメッセージとして、世界の中で「自分は日本人」という意識を高く持つ重要性を語っておられました。海外に行く時には自身の専門分野を極めるとともに、日本の歴史や文化についてもしっかり勉強してから行って欲しいし、外国の人が日本に来られた時もきちんと説明できる人であって欲しいと言われていました。
そして超一流の人物になるには、子どもの頃から本物を見て感性を磨くことが必要であると仰っていました。
次に、美術館のこれからの役割やあり方についても熱く語っておられました。
大英博物館や金沢21世紀美術館において、子どもたちのための体験的な取り組みやトリックアートに引き込まれる魅力ある作品の展示など、美術館を身近な存在にする工夫を具体的に映像で紹介されていました。
「街と共栄する美術館」は、人々が日常的に集まり、経済を救い復興し、人を育てる力を持っているということです。
また、子ども時代の体験・感動の大切さについては、ご自身が一枚の絵との出会いがあったことを話されていました。
中学1年生の時に学校から行った「フランス美術館」で、クールベの《 追われる鹿 》という作品を見たとき衝撃的な感動を受けられ、今でもその感動は脳裏に残って忘れられないそうです。蓑氏のパッションの源、原点を感じられました。
「良いものをみてもらいたい。感動してもらいたい。」というお気持ちで日々邁進されておられます。
終始なごやかな笑顔でお話しされ、まだまだお話は尽きない中で、時間となりました。
蓑 豊氏の著書 「超・美術館革命―金沢21世紀美術館の挑戦」「超・〈集客力〉革命―人気美術館が知っているお客の呼び方」(角川書店) など
兵庫県立美術館では、10/22(土)に佐渡裕氏と蓑氏の対談、ポンペイの壁画展(10/15~12/25)も開催予定です。
休日には、ご家族、ご友人と一緒に美術館に行って、素敵な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。