家庭での食育~24食糧廃棄三つの罪
現在の日本の食糧自給率は、先進国の中では極端に低い39%という水準です。この状況はとりもなおさず、食糧の輸入量が約6割を占めているということになります。
海外では日本向けの食糧を生産するために土地の栄養分が失われ、大量の水が使われています。そして、やせた土地を回復するために化学肥料が投入され、耕作地を確保するために木が伐採されています。この結果、二酸化炭素を吸収する森林が消滅してきています。
次にこれらの食材を飛行機や船で運送するために、大量の燃料が費消されています。以前にも紹介したことがありますが、「食糧の輸入量×輸送距離」で表されるフードマイレージは世界の中で日本がトップで突出しています。このように輸送段階でも大量の二酸化炭素が発生しています。
更に、輸入した食糧を生ゴミとして廃棄し、その処理のために膨大なエネルギーを使っているのです。当然のことながら焼却炉からは大量の二酸化炭素を排出しているのです。
このように考えると、我々の食糧については生産、輸送、消費という3段階で二酸化炭素を発生させているということが解ります。今、地球温暖化を防ぐために、国を超えて活発な議論がかわされていますが、日本がこのような状況を続けていれば世界から非難されるようになるのは間違いありません。
まさに、食糧廃棄は環境に対しても三つの罪であると言えます。我々一人ひとりがこのことに十分留意し、食糧問題を考えていきたいものです。