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凡事徹底~身のまわりの掃除

  これまで、凡事徹底することの大切さをお話してきましたが、もう一度松下幸之助氏と上甲晃氏のエピソードを紹介します。松下氏は、昭和55年(1980年)、85歳の時に〝百年かけてどういう日本をつくるかという根本の設計図を書ける政治家を育てる。〟という強い思いで、私財70億円を投じ、松下政経塾の開塾を発表しました。この呼びかけに応じて、日本全国から多数の応募者があり、厳しい選考の後、第一期となる入塾者が決定しました。そして、世間が注目する中、いよいよ入塾式の日を迎えることになり、塾生達は松下氏がどのような話をされるのか、一言一句聞き漏らすまいという気持ちで、入塾式に臨んだようです。ところが、松下氏からは次のような思いがけない言葉が発せられました。「君達はまず自分の身のまわりを掃除することから始めなさい。」この言葉を聞いた人の中には、正直言ってがっかりした人もあったようです。しかし、松下氏が言いたかったのは、〝政治家になるためには、自分の身辺をきれいにしておかなければならない。自分の身のまわりを美しくするという簡単なことができない人が立派な政治家になれるはずがない。〟ということだったのです。
  この後、松下政経塾では、朝起きてきっちりと掃除するということが日課になったようですが、なかなかこの簡単なことが徹底できなかったようです。ある日、松下氏は上甲氏に向かって、〝3年経っても、これくらいの掃除しかできないのか。〟と言われたそうです。この言葉を聞いて、上甲氏は何とかしなければと大いに悩み、ある方の紹介でイエローハットの相談役である鍵山秀三郎氏に教えを乞いに行かれたとのことです。
  鍵山氏については、後日紹介したいと思っています。