コンビニが百貨店を抜く
1月21日(水)、高校生対象の全校朝礼を行ないました。最近は日本の経済の低迷が顕著になってきているため、明るい話題が少なくなっています。日本の若者はこれまで経済が比較的安定している時でも、他の国の若者に比べて将来に対する夢や希望を持つ割合が低いという結果が出ていますが、このままでは更に悲観的に考えるようになるのではないかと危惧されます。従って、考え方や行動を変えることによって、新たな道が開かれるということを伝えていくことが大切であると思っています。朝日新聞の一面トップには『コンビニ 百貨店を抜く』という記事が掲載されており、これをテーマに話をしましたので若干補足も加えてその概要を紹介します。
〝最近、消費が低迷し、百貨店やスーパーの売上げが減少する中でコンビニが業績を伸ばし、ついに百貨店の売り上げを抜きました。業界トップのセブンイレブンによるコンビニが初登場したのはオイルショックが起きた1974年で、まだ35年しか経っていないことになりますが、当初は否定的な意見が大半でした。
コンビニのコンセプトは「いつでも(時間)」「すぐに(立地)」「何でも(品揃え)」という3つの便利さの追求です。これを可能にしたのはPOS(販売時点の情報管理)システムです。つまり、レジで10個のボタン(男女・年齢別)を操作することによって何時・どの商品が・どのようなお客に・どれだけ売れたかが把握できるようになっているのです。また、品切れや売れ残りが極力少なくなるように 各店舗には休日の天候・行事予定・商品情報がタイムリーに届けられるようになっています。更にセブン銀行のATMが設置されており現金が引き出せるほか、電気料金、電話料金、生命保険料、NHK受信料等の振り込み、宅急便の取り扱いもできます。また、温かいおでんやクリスマスケーキ、まるかじり寿司、御節料理の販売等も手がけるようになってきました。この結果、当初は見向きもされなかった50歳以上の客層も20%を超えたようです。不況は新たな取り組みのチャンスです。皆さんも是非、視点を変える、差別化をはかることによって新たな道を切り開いていってください。〟
現在、コンビニの店舗数は全世界で3万店舗を超え、今後ますます増加することが予想されます。一方で夜間電力の使用や食品の廃棄等の課題も指摘されてきています。これから当然経営戦略の見直しも必要になってくるでしょうが、何事も常に時代の流れをしっかりと受け止め新たな取り組みを行なうことの大切さを感じています。