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自家自給率を高める

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  日本の食料自給率は39パーセントしかありません。これは先進諸国の中では極端に低い数字であり、食料の大半を世界の国々からの輸入に頼っています。
  スーパーやデパートに行くと肉、魚、野菜、果物などが所狭し、と陳列されていますし、コンビニエンス・ストアや外食チェーン店では日々廃棄する多くの生ゴミが発生しています。また家庭でも冷蔵庫の中で食物を腐らせる等の無駄を発生させています。どうして、このようなことが起こるのでしょうか。それは自動車や電機、機械、精密部品等の製造業の輸出による豊富な外貨を獲得してきたからなのです。ところが、世界同時不況により輸出企業の販売額が急減することになり、これまで想像できなかった貿易赤字が発生するという状況に陥りました。言い換えると技術力に裏打ちされた工業貿易立国というスタンスが成り立たなくなってきたのです。
  この状況が続くと外貨は徐々に減少し、食料やエネルギーを輸入することができなくなります。食料自給率を上げようとしても農業従事者は少なくなっており、しかも大半が高齢者です。そうすると、たちまち食糧難に陥ることになります。これを防ぐためには、国をあげて食糧確保に取り組まなければなりません。農業政策を変えたり、農業従事者を増やすことが不可欠ですが、短期間に成果が上がることは期待できません。
  以前、この校長通信で海上封鎖による食糧危機に見舞われたキューバの人達が居住地周辺の少しのスペースを活用して野菜作りに取り組んだということを紹介しました。これからは日本国民一人ひとりがこのような自家自給率を高める地道な取り組みをしていくことが必要であると思います。私もまず身近なできることから始めるということで昨年から野菜づくりに取り組んでいます。さまざまな工夫をして自家自給率ゼロからの脱却を目指していきたいものです。