憲法記念日にあたって
5月3日(日)は憲法記念日です。近年憲法改正の論議が活発になってきていますが、現在の日本国憲法は、第二次世界大戦で敗戦しその後アメリカによる占領が続いていた1946年(昭和21年)11月3日に大日本帝国憲法の改正手続を経て公布され、1947年(昭和22年)5月3日に施行されたものです。
それから現在まで52年にわたってこの憲法は全く改正を加えられることなく継続しているため、日本国憲法の原本の漢字表記は、当用漢字以前の旧漢字体になっており、その前文には『われらは平和を維持し専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと務めてゐる国際社会において名誉ある地位を占めたいと思ふ』と記載されています。
そして、新しい憲法が施行された日こそ「祝日」にふさわしいという思いが全国にあったようで1948年に国民の祝日に制定されました。
現行の日本国憲法は十一章、百三条から構成されています。この詳細を知っている人は少ないと思いますが、特色として3つの柱を持っています。一つ目は〝天皇は象徴であり国を治める主権は国民にあるという「国民主権」〟二つ目は〝人間が生まれながらにして持っている、人間らしく生きる権利を永久に保障する「基本的人権の尊重」〟三つ目は〝世界の平和を永久に守るため、外国との争いが起きても戦争をしないで平和的に解決するという「平和主義」〟です。
現在最大の討論の的になっているのは「平和主義」に基づく憲法9条の問題ですが、憲法の改正手続きについては第96条において次のように定められています。
〝この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会がこれを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。〟
憲法は日本の国にとってはすべての法律の基礎となる最も重要なものです。内容についてしっかりとした理解をしておきたいものです。