わが国における食育~服部幸應氏のエピソード②
食育基本法が施行されたのは平成17年ですが、これに先立って厚生労働省による『21世紀の栄養・食生活のあり方研究会』が開催されました。
この研究会では「21世紀はどんな食の時代になるか」という論議がなされましたが、メンバーとして出席されていた服部氏が「知育・徳育・体育プラス食育の時代になる」ということを提唱されたのです。
当時の厚労相は小泉氏であり、ついに法案が成立しましたが、この過程においては食の生産・流通を担う農林水産省と健康増進をはかる厚生労働省と教育を担う文部科学省がそれぞれの省の壁を取り払って、一体となって法案づくりを進めたのです。そして「食育推進基本計画」も策定され、平成18年から22年まで5年間かけて食育を推進するための目標値が設けられることになったのです。
一口に食育と言っても非常に幅広い領域にまたがっていますが、服部氏は「選食力を養うこと」「食事作法を身につけること」「地球の食を考えること」を三本柱として掲げておられます。これらについては、また別の機会に取り上げたいと思っています。