« 継続は力なり | メイン | 学園創立60周年記念事業竣工披露式典・祝賀会 »

元生徒会長の夢叶う

H22.4.3_1.jpg H22.4.3_2.jpg

  本校では環境教育に力を入れていますが、現在のように本格的に学校を挙げて取り組むようになるまでには、色々な動きがありました。これまでの経緯を振り返ると5年前愛知万博にあわせて世界各国からこども達が集い『こども環境サミット2005』が行なわれました。この中で「再生可能なエネルギー資源の利用や節水、ゴミのリサイクル等の約束宣言」がなされましたが、この環境サミットの日本代表団の中に、本校の中学1年生から3年生の12名が参加していました。
  その後、この生徒達が生徒会役員や学年のリーダーとして、文化祭でのゴミの分別や「マイ箸運動」を提起する等の環境活動を推進してきました。この活動の中で、新校舎建設にあたって処分される生徒用の机や椅子の再利用をはかることができないかを生徒会で検討しました。一時は海外の学校に送るという案も出されたようですが、輸送にかかる運賃の負担があまりにも大きいということで実現しませんでした。しかし、まだ十分活用できるものが、廃棄されるのは〝勿体ない〟の一言につきます。そのため、引き続き活用していただけるところがないか打診していたところ、この度、池田市の教育委員会から「譲り受けたい」との申し出があり、廃棄処分される予定の机と椅子が再利用されることになりました。
  4月3日(土)春休み中にも拘わらず、教育委員会の教育部長をはじめ、校長先生や教頭先生など40名程の教職員の方が来られ、生徒用の机・椅子630セットを仮校舎から搬出されました。また、4月5日(月)には、池田市の職員の方が、仮校舎で廃棄される掲示板を再利用するために来校されました。
  これまで、本校の生徒達が大切に使っていたものが、廃棄されるのではなく、また新しいところで活躍する場を与えていただけたことは、大変喜ばしいことであるのと同時に生徒会で検討していた〝元生徒会長の夢が実現した〟ということにもなります。
  環境教育に取り組む中で、私は常々「3つのR」-Reduce(リデュース)[減らす]、Reuse(リユース)[再使用]、Recycle(リサイクル)[再資源化]-を意識して取り組むことを全職員や生徒に訴えていましたが、今回のことはまさに「3つのR」の実践だと考えています。
  日本では工業化の進展に伴い、物を大切に使うという気持ちが薄らぎ、不要になるとすぐに廃棄するという〝使い捨て〟が主流になってきました。今一度、日本の伝統である〝勿体ない精神〟を取り戻すべきではないかと思っています。
  最後に、今回私どもの取り組みに協力いただいた池田市教育委員会にこの場をお借りして御礼と感謝を申し上げます。