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ロンサム・ジョージ逝く

 ガラパゴスゾウガメの亜種ピンタゾウガメの最後の生き残りといわれていたカメが死にました。「ロンサム(孤独な)・ジョージ」と呼ばれ絶滅危惧種の世界的象徴としての存在でした。推定100歳以上のオスということです。日本にもアマミノクロウサギ、沖縄の森林にすむヤンバルクイナやツキノワグマなど沢山の絶滅危惧種がいます。すでに絶滅したとされているものも沢山います。ニホンオオカミやエゾオオカミがそうです。先日の修学旅行で訪れた旭山動物園にはオオカミの森があります。楽しみにしていたのですが、子どもが生まれ育児中とのことで、残念ながら見学することはできませんでしたが、そこの説明によりますと、100年前には北海道にエゾオオカミが生息していたというのです。エゾシカなどを獲物として、アイヌの人たちと自然を共生していくルールを守り共存していたといわれています。それが、入植者の森の開拓と共にエゾシカの乱獲などによって、食料の少なくなったオオカミが家畜などを襲うようになり、そのために大量に駆除され、ついには絶滅してしまったそうなのです。今、旭山動物園にいるオオカミはシンリンオオカミですが、北海道にオオカミがいた頃の様子を再現するものとして、この森がつくられています。エゾオオカミが絶滅したことにより、天敵がいなくなったエゾシカが大量に増え、農林業や農作物の被害が発生し、エゾシカの駆除が大きな課題になっているという何とも皮肉な結果になっています。ピンタゾウガメが絶滅した背景にも、きっと悲しい物語があったに違いありません。
 自然の一部を構成する人間は、自然に働きかけ、自然を変化させることによって富を得る存在です。だからこそ、自然との共生・共存が大切なのです。