「褒めて共に喜ぶ」
「人間は何かを学ぶ時、褒められた方がより記憶に定着し効果的に学習できることを、生理学研究所(愛知県岡崎市)の定藤規弘教授らの研究チームが科学的に証明した」、と7日付の米科学誌プロスワンに掲載されました。パソコンのキーボードを打つ練習での実験結果だそうです。定藤教授は「褒められることは、脳にとっては金銭的報酬にも匹敵する社会的報酬だ。この社会的報酬を得ることで、運動技能の取得がより上手に促されることを証明した。“褒めて伸ばす”ことの科学的な妥当性を示すものであり、教育やリハビリテーションにおいて、より効果的な“褒め”の方略につながる可能性がある」と話されています。
「子どもは褒めて育てた方が良い」、とか「人は褒めて育てよ」、と古くからよく言われてきました。できていないところや課題ばかりを強調しないで、「チョットは褒めてやれば」といったテクニックの問題として捉えたくはありません。その人が持つ「人間観」、「教育観」の問題として捉えるべきだと考えています。完璧な人間がいないように、人はそれぞれ自分の課題を持っています。それを克服していく過程そのものが人生だともいえます。「褒める」ということは「評価」そのものです。どうして克服できたのか、何が良かったのかなどの分析を行い、他の課題に活用していこうとする意欲につながると思います。「よし、次もやってやろう」という「やる気のスイッチ」が入り、「成功体験」を増やすことになります。「褒めて共に喜ぶ」人間でありたいと思います。