« 高1・高2は「夢ナビライブ」へ | メイン | 期末考査一週間前 »

「中だるみ」現象

 何か課題をやり遂げたりすると達成感を覚えて働きが低下したり、長期間情報を保存するにはエネルギーが必要となるので、不必要な情報は極力捨て、エネルギーを使わないようにするのが人間の脳だといわれます。しかしこの脳も、生命維持にとって不可欠と感じる時は働き記憶するそうです。何とも親近感を覚えるというか、実感としてよく分かります。
 一年生では、中学受験で希望する学校へ入学できたという達成感を感じ、学習時間が少なくなってしまったりしている人はいないでしょうか。二年生では、三年生になったら進学に備えて勉強が大変になるだろうからと、今は省エネ生活を送っている人はいないでしょうか。三年生では、高校へ行ったら頑張るけど、今は最後の部活動を頑張ろうと思っている人はいないでしょうか。全体の傾向として中学2年生から3年生にかけて学習時間が減少していく、いわゆる「中だるみ」現象です。中高一貫校の共通の課題だといわれています、脳の特性にもどこか似ているように思えます。
 「中だるみ」とみえる現象が全て問題だとは考えていません。新しい分野や課題に挑戦しようとして相対的重点がそちらに移動したりする場合もあったりするからです。ただ、学習時間が極端に減少したり、ほとんどゼロということでは、いくら新しい課題に挑戦していると言ってもこれは改善の余地があります。あれかこれかではなく、学習時間を減らすことなく、いろんなことに挑戦し「やればできる」という成功体験を多く持ち、生き方の問題として進路を考えるということが必要ではないでしょうか。脳の特性やクセを理解した取り組み方だといえます。