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胸突き八丁

 「胸突き八丁(むなつきはっちょう)」とは、辞書によりますと「富士登山で頂上までの8丁(約872メートル)のけわしい道」とか、「物事を成し遂げる過程で、いちばん苦しい正念場」とあります。7月のスタートと同時に、きょうからの5日間が期末考査です。一学期の正念場、「胸突き八丁」といえるかもしれません。
 本校では、富士登山の行事はありませんが、中学2年生の林間学舎で伯耆富士と呼ばれる「大山」登山を行います。大山は標高こそ富士山の半分以下ですが、山頂へ向けての上り勾配が続く登山道は似たものがあります。8合目あたりは急坂がピークになります。体力的にも一番きついところで、「胸突き八丁」ともいえます。それを過ぎるとダイセンキャラボクや高山植物を足下に見ながら穏やかな木道が山頂まで続きます。ここまで来ると乱れていた呼吸や汗もひき、もうすぐ山頂ということもあり、「胸突き八丁」の辛かったことや疲れも不思議とどこかへ吹き飛んでしまいます。天候に恵まれると、宍道湖、神話で有名な弓ヶ浜や隠岐の島が見えることもあるのでなおさらです。
 期末考査という「胸突き八丁」は登山のような息をきらす体力的な辛さはありません。が、目の前にある課題や困難を一つひとつ乗り越えていくのは同じかも知れません。粘り強さが要求されるのも同じです。今の自分の課題は何なのか、それを遂行すればどのような可能性が開けるのかといった、この先にあるゴールのイメージを明確にして取り組むめば勇気づけられることも似ています。一人では登れない山も、皆で励まし合い集団でなら登れることもあります。気持ちを一つにして「胸突き八丁」の期末考査を乗り越えましょう。