指定校推薦入試
大学入試の一つの形態として指定校推薦という制度があります。大学側から指定する高校に選考基準を明示し、それにより推薦された生徒を書類審査や面接などの方法で試験を行う制度です。多くの場合選考基準として評定平均値というものが使用されます。全体の評定平均値は、高校1年生から高校3年生一学期まで、学習した全ての科目の評定を合計し科目数で割って計算した平均のことです。いいかえると、三年間全ての科目にわたって取り組んだ努力の成果が表されたものです。それらをもとに、高校で定めた客観的基準に従って、公正に選考を行い推薦者を決定します。
指定校推薦入試は、大学と高校との間の信頼関係において行われるものです。大学側は進学してくる生徒の追跡調査等を行い選考の見直しを行います。ですから、進学した生徒の頑張りが後輩に影響を与えることになり、推薦枠が減らされたり、場合によっては増えるということになります。当然のことですが、合格すれば入学辞退はできません。近年、学力試験を課さない指定校推薦での入学者と一般入試での入学者との間の学力差が問題にされ、この制度を見直す大学も増えてきています。
入試の形態は、指定校推薦、公募推薦、AO入試や一般入試と様々ですが、大学へ進学すれば何とかなるという時代ではありません。大学を卒業しても2割を超える者が安定した職業に就けていないという時代です。おまけに就職をしても3年以内に3割を超える者が離職をしているというデータもあります。大学は、ゴールではなく、そこで何を学び、それをどう社会に役立てるかを考える場だ、と位置づけ指導を行うことが重要だと考えています。