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「残心」

 期末考査のテスト返却があすから始まります。点数など結果の確認とともに、何故間違ったのかなど、捉え違いや理解が不十分だったところなどを確認する大切な作業になります。これが終わって初めて期末考査が終了ということになります。
 剣道に「残心」という教えがあります。相手に打ち込み、見事、面を打ったとします。それで良しとしてはいけないのです。相手の反撃に備える心身の構えが無いと、例え三人の審判の旗が上がったとしても、合議の上、取り消しになります。ましてや喜んでガッツポーズなどすることは言うに及ばずです。残心とは心をあとに残すと書き、心残りや未練という意味もありますが、剣道や弓道などでは一つの動作を終えた後でも緊張を持続させ心身の備えを怠らないという教えとして使われます。決して、相手は面を打ってくるのを待ち構えているのではないだろうか、その時はどうしようとする中途半端な技や疑心暗鬼な気持ちを心に残すことを言っているのではありません。
 日常生活においても、玄関で履物を脱いで上がる時、その脱がれたものがどのようになっているかを考えて脱ぐ、トイレのスリッパは次の人が履きやすいように考えて脱ぐ、ドアや襖や障子を閉め忘れたり、乱暴に扱わない、食事や道具の後片付けなど様々なところで残心が必要になってきます。
 期末考査での答え合わせや解答の見直し、間違い直しは、いわば残心にあたります。これを大切にすることは今後の技の冴え、学びに大きく影響してくることになります。