受験、人事を尽くせ
先日、帰宅しようと正門の方に向かって歩いていると、正門の方から走ってくる女子生徒に出会いました。夕方の6時ごろのことです。少し暗くなっていたのとマスクをしていたので、顔はよくわかりませんでしたが真剣な様子はうかがえました。「どうしたの、忘れ物?」と尋ねると「合格しました。今、先生に報告に行きます」とようやく笑みがこぼれ、合格の大学名を教えてくれました。女子生徒は中央棟の2階の踊り場のスペースで受験勉強をしていたようです。ここは私もよく通るところで、生徒は冬は囲いをし、小さなストーブで暖を取りながら勉強します。その苦労が実りました。よくがんばった。
指定校推薦や公募制、私立大学ですでに大学が決まった生徒がいます。その生徒諸君にぜひ伝えておきたいことがあります。それは大学入学日までの期間を無駄に過ごさないようにということです。いつも言っているように大学に入ることが目標ではありません。立派な人間になって世の中に貢献することです。受験の期間にあまり読めなかった本を読むとか、この期間に英語の勉強しておくことも大切でしょう。大学の方もしっかりと勉強をしてきた、あるいは勉強のできる生徒が欲しいと思っているのです。
大学入試も中盤から後半に入ります。国公立はこれからがいよいよ本番です。これから受験する人は、月並みですが「最後まであきらめるな」ということです。まず私学に合格した生徒です。国公立が目標であったならその目標を捨てないでほしい。私立の合格疲れで「もうこれでいい」の妥協は本学の「やってみなはれ!」精神に反します。
続けて不合格の生徒もいると思います。こんなこと何ぼでもあります。心配するな、最後まで全力を尽くしなさい。進路指導の先生に聞くとE判定の生徒でも合格することなど珍しくないそうです。本学園への受験でも、3度受験する生徒もいますが、成績には大きな波があり、むしろコンスタントにどの試験もというのは少ないです。いつかの朝礼で生徒の皆さんには話しました。いい意味にも悪い意味でも、人生には三つの坂があって「のぼり坂」「下り坂」そして「まさか」の「坂」。「良い坂」にするには、後悔しないように人事を尽くしておくこと、あとは天命を待つことだと思います。