CLIL(クリル)型授業研修 第10号
4月25日、本校のCLILアドバイザー池田真上智大学教授に来校いただき、CLILワークショップを中心とした教員研修会を行いました。今年新設されたグローバル教育部の先生方に段取りしていただきました。
内容は、1.授業設計法、授業技法の講義 2.授業の流れ、タスクを考える(教科担当と英語教員のグループ) 3.全体で発表し、指導助言 でした。約60名の全教科の教員が3月に引き続き参加し、単元は地理、数学、体育でしたので、自分の専門教科でないものを取り組むことになりました。
まず、池田教授より、「多くの学校では一部の先生で行われている。英語科内でも一部になっているケースもある。それに比べて、雲雀丘ではこんなたくさんの全教科の先生が学校全体の取組として参加している。これは、全国でも初めてのケースで『雲雀丘モデル』そして新しい教育の流れになるのではないか」とお話しがありました。
いざワークショップが始まってみると、各グループでの議論は白熱し、2時間があっという間でした。
先生方がアイディアを出し合い、いい授業になるように教材を作っていきます。こんな授業が教室で展開されると思うと楽しいだろうなぁ、生徒たちの反応を早く見てみたい気がしました。
最後に池田教授より、「皆さんが楽しそうに授業作りをされているその姿を見ていて、とても幸せな気持ちになった。いい時間を過ごさせていただきました」と話されました。まさしく、先生方がいい雰囲気で授業作りを楽しんで行えることこそ、いい授業の条件になるのだと思います。
今年度は、全学年で各教科の先生と英語の先生のチームでCLIL型の授業を行います。11月の第2回授業研究大会ではCLILをテーマに発表します。先生方も準備をしっかりして新しい授業に挑戦します。生徒の皆さんも期待していてください。
CLILは、ある英会話教室がスケート選手を起用したテレビCMが流れていますので、ご存じかも知れません。以下、池田教授が副会長をつとめられます日本CLIL教育学会ホームページからの抜粋です。
CLILはContent and Language Integrated Learningの略称です。教科科目やテーマの内容(content)の学習と外国語(language)の学習を組み合わせた学習(指導)の総称で、日本では、「クリル」あるいは「内容言語統合型学習」として呼ばれ定着しつつあります。主に英語を通して、何かのテーマや教科科目(数学(算数)、理科、社会、音楽、体育、家庭など)を学ぶ学習形態をCLILと呼ぶ傾向があります。CLILの主な特徴は、学習内容(content)の理解に重きを置き、学習者の思考や学習スキル(cognition)に焦点を当て、学習者のコミュニケーション能力(communication)の育成や、学習者の文化(culture)あるいは相互文化(Interculture)の意識を高める点にあると言えるでしょう。
本校においては、CLIL型の授業を推進していきます。言語技能4技能を高めるだけでなく、共同学習によって、さまざまなレベルの思考力(暗記、理解、適用、分析、評価、創造)を活用することで、深い思考を伴い、言語知識が記憶に定着しやすくなると考えております。