遅ればせながら
6/21と6/28に行われたカナダ研修「赤毛のアン Anne of Green Gables」の映画鑑賞会。
鑑賞後に提出された感想文のうちのいくつかをご紹介いたします。
① 中3女子
アンは、最初の家と孤児院で、愛を知らずに生きていたけど、それでも生きていこうとするのがきれいだった。あんなところで生きててもアンが自分のままでいられたことがすごいと思う。グリーンゲイブルズのあの家に来たことが案の人生の分岐点だと思いました。
不器用なマリラはアンを愛したい気持ちを顔にも声にも表すことは少なかったけど、アンのことをすごく案じていたことが伝わってきました。
想像力が豊かすぎるところやしゃべりだしたら止まらないところはアンの欠点でもあり魅力でもあるのだと感じました。毛嫌いしていてもいつの間にかアンに惹かれていた人も多いと思います。いろんな人とかかわって生きていくようになって、うまく生きていく方法を見つけて、それでも自分の魅力や個性を見失わない、思うように生きているアンにすごく惹かれました。
自分が今、何を思って生きているのか考えさせられました。
②中3女子
私は、赤毛のアンの本を読んだことがあり、アニメも見たことがあったので、どんな話かは知っていましたが、映画は初めて見ました。映画の方がよりリアルに表現されていて、本やアニメよりも何倍も面白かったです。
この映画を見て、一番驚いたのは、孤児が迫害を受けていたという事実です。私は孤児を引き取ると聞くと、家族として迎え入れるのが当然だと思っていたので、とてもショックを受けました。平気で孤児院に帰したり、こき使ったりしていて、まるでペットのような扱いをされていたことに驚きました。
しかし、欲しがっていた男の子ではなく、話のとり違いでやってきた女の子を笑顔でアンを迎え入れたマシューは優しい人だなと思いました。マシューはマリラや誰かに反対されようと、アンと一緒に暮らそうとしていました。だからアンは、彼のことをとても尊敬していたと思います。私も年下の人から尊敬されるような人になりたいです。また、いつでも通じあえるダイアナのような“腹心の友”が欲しいです。信頼できる“腹心の友”がいれば、どんなにつらくて苦しいことがあっても乗り越えられると思うからです。
あと、グリーンゲイブルズに住んでみたいと思いました。緑の草原や灯台など、映画の中の背景すべてがきれいでした。なので、カナダに行くときは、アンの気持ちになって、11日間を過ごしたいなと思いました。プリンスエドワード島にいくのが楽しみです。
③ 中3女子
心に残った言葉は、「明日は常に失敗のない新しい日」という言葉です。アヴォンリー学校の女性教師のセリフです。今日駄目だったとしても、明日があるから落ち込まずにすすめ、ということだと思います。今の私にぴったりです。私もアンのように絶望のどん底に落ちることがよくあります。けど、そこでそのしんどいことをどうプラスに変えるか。アンを観ていてそう思いました。いったん離れて、視点を変えてみるというのもそうです。口で言うのは簡単ですが、実際するとなるととても難しいことだと思います。アンを見習って実行してみたいです。
率直に思ったのは、自然がきれいだということです。現地にいったら感動すると思います。アンが見てきた景色を見られると思うとワクワクします。ホストファミリーとたくさん会話ができるように、英語をしっかり勉強しないといけないなと思いました。時間はないですが、頑張ろうと思います。
④ 中2女子
アンは魅力的な少女だ。空想が好きで、おしゃべりで、少し強情なところもあるが優しい少女だ。間違えて連れてこられたグリーンゲイブルズでも、みんなをとりこにしている。しかし、そんな彼女を支える周りの人物も負けず劣らず魅力的だ。
無口だが心優しい里親のマシュー、厳しく礼儀正しいマリラ、それから親友のダイアナと意地悪なギルバート、マリラの友人で噂好きなレイチェル。それから、孤児院でのガラスの中の空想の友達ケティと、新任教師のステイシー先生。他にもクラスメイトの仲良したちも。みんな一癖も二癖もあるけれど、結局は明るく優しい人物なんだと思う。ダイアナは、ケティみたいにガラスの中ではなく、現実世界での心の友だ。おとなしくて女の子らしい性格をしていて、アンとも相性バッチリである。
アンだけでなく、赤毛のアンの登場人物には学ぶべきことがたくさんあるだろう。アンは前にいた家での習慣からか、いざという時にも物怖じしないし、マシューは寡黙だけれど人の話をよく聞いてくれる。マリラは不器用で、アンのことが心配でも素直になれない。それでも、アンを想う気持ちはみんなと同じように強いのだ。レイチェルやダイアナのように、そのことをはっきり言えれば楽だろうが、マリラは最後の最後までそうできなかった。そんな厳しいマリラやダイアナの親戚のおばさまにも、めげずに明るく話しかけていくアンが、自分にはとてもまぶしく見えた。私はきっと、一度厳しくされた相手には二度と話したいと思わないだろう。いくら自分が悪いからと言って、一度謝ればそそくさと逃げ出してしまう。だから、あきらめないアンがうらやましいと思った。
さて、最後までなかなか和解してくれなかったギルバートとアン。赤毛のことを気にするアンに「ニンジン!」と言ってから何年たったのかはわからないが、かなりの間、二人が…というよりもアンが一方的に火花を散らしていたのは間違いない。ギルバートはあの手この手でアンの気を引こうとしていたけれど、アンがかなり根に持っているのには少しイラッとしたけれど、それもなかなか楽しかった。最終的には良い形で仲直りができたのは良かったと思う。きっとギルバートだけでなく、マリラもマシューもダイアナも、アンにとってとても大切な人になっていた。
アンだけでなく、他の人たちにも、それぞれ大切な人がいて、大切な居場所がある。赤毛のアンに出てくる人たちのほとんどはとても幸せだ。楽しみを共有できる人も、悲しくて泣いていれば慰めてくれる人もいる。大切な人を失っても、その思い出を胸に秘めて、力強く生きていける人たちだ。アンのように、マリラのように、ダイアナのように、ギルバートのように、そしてマシューのように、強く美しく生きていけたらいいなと思う。