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科学部 糖の還元性

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皆さん、糖に還元性があるとご存知でしたか?これは糖がヘミアセタール構造を持っているからです。今回はその性質を確かめる為グルコースを使用して銀鏡反応とフェーリング反応という二つの定性実験を行いました。
銀鏡反応は無色のトランス試薬(アンモニア性硝酸銀水溶液)に還元剤を入れ加熱すると試験管の内側に銀が張り付き鏡の様になる非常に綺麗な反応です。ここではグルコースは銀イオンを銀に還元する役割を果たしています。
フェーリング反応はフェーリング液A(硫酸銅(Ⅱ)五水和物)とフェーリング液B(酒石酸カリウムナトリウム)の混合溶液(深青色)と還元剤を混合し加熱すると褐色の酸化銅(Ⅰ)の沈殿が生じる反応です。ここでもグルコースは銅イオン(Ⅱ)を酸化銅(Ⅰ)に還元しています。
糖に還元性があると書きましたが全ての糖に還元性があるわけではありません。スクロースやトレハロースはヘミアセタール構造を持たないので還元性を示しません。一概に糖と言っても様々な種類があります。私たちの回りを見てもそれほど多くの糖があるようには思えませんが実際は莫大な数の糖が存在します。糖一つ取っても形が違ったり、性質が異なったりと奥深いものがあります。これは糖に限らず有機化合物全体に言えます。これが有機化学の面白いところではないでしょうか?