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我が受験の頃(1)

 この季節になると自分が大学受験した頃を思い出します。といっても、センター試験も共通一次試験も始まる前の国立一期校、二期校の時代ですから、ずいぶん前のことになります。
 わたしがいたのはお勉強も体育も同等に重要視した学校で、冬になるとひたすら走るトレーニングがありました。晴れているとランニングの後はサッカーをしたりもできたのですが、雨になるとグランドの中を使うと荒れてしまうので、準備体操の後、一週600メートルほどあるグラウンドの外側を約45分間、ひたすら走ることになるのでした。明日が大学入試であろうとおかまいなし。男子も女子もずぶ濡れになって授業が終わります。
 「雨の中を走ることで風邪をひいたりしない。濡れた後の自己管理が悪いから風邪を引くんだ」
 入学当初からそういわれてきた生徒は3年の冬でもそれを半ば信じていましたし、運動して気分転換することに価値をおいていた仲間も多くいました。親も学校の体育のあり方に苦情を言ってくることはありませんでした。
 そんな調子ですから、3年の1月になって、受験勉強で学校を休む生徒はほとんどいない。休んで受験勉強するなんて姑息なことだっと思っていたし、ましてや学校を休んで塾へ通ったなどということがバレると、それは恥ずかしいことでした。
 あの時培われたと思えることで、現在にも通じることがあるように思います。それは、試験の前の日に雨中を走らされるという、一見逆境に見えることでも、やってしまえば何ともないし、一種の爽快感やスリルさえ楽しむことができるということです。また、そのことがバネになって、その後、再び机に座ったときの集中力が生み出されたように思います。
 つまり小さくなってしまわないこと。プライドをもって、常に強気ですすんでいけばそれなりに学力は伸び続けるものです。いけないのは、テスト前だからといって自分がピリピリしてしまって、ちょっとのことで弱気になったり情緒不安定になることではないでしょうか。自信をなくすと学力は伸びにくくなります。勉強の時に、無心に集中しにくくなるからです。「もう自分は駄目なのではないか。志望通りにはいかないのではないか」という心配が頭をもたげる状態、心の隅にそんな思いがある状態は、集中した状態ではないのです。
 受験生諸君。悩むな、時間がもったいないぞ! (田畑保行)