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講演「受験対策の王道」を聴いて

空とお花畑.jpg

「ドラゴン桜」のモデルだと言われる竹岡広信氏の講演を聴いてきた。50分ほどの短い講演だったが、印象に残ったことはいくつかある。何回かに分けて紹介したい。 
 まず出されたのが英作文の課題。「私はアメリカへ留学するのをあきらめました。」
 I gave up studying in the USA.
 すぐに思いつくのは上記の英文だがこれは間違いだとおっしゃる。
 この英文は、I gave up smoking.(私はタバコをやめた)を習ったことからすぐにひらめく文だ。
 give up ~ingで文句はないと言いたいところなのに・・・。
 動名詞を目的に取る場合は「これまでのこと」を表す。しかるに課題文は「これからのこと」が目的語にならなければならない。
 で、正解は I give up the idea of studying in the USA.
確かに I remember seeing her.は過去のことについての記憶である。
 こんなことがちゃんと書けないこの国の英語教育は「もう終わっている」とおっしゃるのである。

 さらに言うと、「時計の文字盤」や「時計の針」は英語でどう言うか。参加している受験生からは答はでなかった。しかし「進化」や「革命」を英語に直せと言われると、それには難なく答えられるのである。
 「それもおかしいやろ」とおっしゃる。そう言えばそうだ。日常の簡単なものの名前がわからないくせに
非現実的な、およそ日常と関係ない evolution やrevolutionがわかるというのも、確かにおかしな現象である。
 竹岡氏は日本の英語教育が歪んでいるとおっしゃる。
 それはそうかも知れない、と私も思う。しかし、じゃあ、日常のよく使う単語だけをしっかり使えたら良いということになれば、受験しても差がつかなくなってしまうのではないだろうか。
大学の入試問題は差をつけるための問題だと私は考えるのだが。
 このあたり議論してみたいところでしたが、残念ながら質疑応答の時間はありませんでした。(田畑保行)