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同じサービスでも異なる料金

―全国学力学習状況調査から―

康平さんの所属するテニス部ではオリジナルTシャツを作ることにしました。そこで,無地のTシャツを持ち寄って,店にプリントを頼もうとしています。次の表は3つの店の料金をまとめたものです。

カラー工房=Tシャツ1枚につき200円です。
パレット印刷=製版代が3000円で,Tシャツ1枚につき100円追加されます。
染め屋=Tシャツ60枚までは何枚でも8000円です。


4月20日,全国の小中学校で「平成22年度全国学力学習状況調査」(国立教育政策研究所)が実施された。冒頭の問題は,同調査で出題された問題(中学数学B)である。翌日の新聞紙上でこの問題に目がとまった。

高速道路のETC割引,家電量販店のポイント制度など,今では同じサービスでも時期,方法によって料金が変わることが少なくない。ETC割引では,ほんの数分の違いで数千円も料金が異なることも―。このような社会のなかで消費者は,料金の仕組みを十分理解して,より賢明な利用が求められているのだろうか。

数学は「社会に役立たない」と思われていることが少なくない。単純化した例ではあるが,冒頭のような問題を数学的に考え,それに基づいて消費行動をすることは,サービスが複雑になっていくこれからの時代,必要なことなのかもしれない。この問題は,3つの店の料金とプリントするTシャツの枚数の関係をグラフに示し,どの店を選べばよいか考えさせる問題へとさらに発展していく。

同調査は,成績の公表,全数調査か抽出調査かなどと教育行政面での報道ばかりが目につく。しかし,われわれ教育現場に身をおく者として,出題内容をよく検討し日々の授業に活かしていきたいと感じた。 (寿)


参考
国立教育政策研究所