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直木賞・芥川賞決まる

第147回芥川賞、直木賞が発表されました

芥川賞は 鹿島田真希さんの冥土めぐり
直木賞は 辻村深月さんの鍵のない夢を見る
二つの賞の選考は年二回行われます。今回は上半期(昨年12月~5月末)

芥川賞は新聞・雑誌に発表された純文学作品、主に無名・新進作家
直木賞は単行本として発表された大衆文芸作品、主に中堅作家が対象です
選考委員をつとめるのは現役の作家たちです。現在は、小川洋子さん、宮本輝さん、村上龍さんや浅田次郎さん、宮部みゆきさんなどがつとめています
前回の選考後に「若い人たちに期待をしていたけれど、全然刺激にならない」と言って20年余り選考委員をつとめてきた、石原慎太郎東京都知事が委員を辞退して話題になりました

「先生!今朝のニュースで辻村さんが直木賞取ったって言ってた!」と図書室飛び込んできた人もいました
「この人の作品で、初めて上・中・下の3巻っていうのを読んだ」という人もいました

直木賞に選ばれた辻村深月さん。初期の作品は10代を主人公にしたものが多く、中高生にはもともと人気があり、ひばりの図書室にもたくさんの著書をそろえています。最近は登場人物の年齢が上がってきて読者層も広がっていたようです
受賞作品「鍵のない夢を見る」は、今までの中で一番年齢の高い主人公達だそうです。彼氏がほしい、結婚したい、ママになりたい、普通に幸せになりたい、そんな夢を叶える鍵を求めて人生の岐路に立たされる大人の女性を主人公にした短編集です

開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。ある雪の日、学校に閉じ込められた男女8人の高校生たちを描いたミステリー「冷たい校舎の時は止まる」

中学の図書室で手に取った本にはさまっていた数枚のメモ、誰かはわからないけれど悩んでいるメモの書き主を何とかしてあげたくて、勇気をだして返事をかく中学1年生のマキ「サクラ咲く」 など

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           *辻村深月コーナーつくりました 

小学3年生の頃から小説を書き始めたという辻村さんは、受賞後のインタビューで
「私は今までいろんな話を自分のために書いてもらったと、幸福な勘違いをしながら読んできた」と話していたのが印象的でした