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図書館の歴史 ⑦

<日本編> 7 これからの図書館

急激なインターネット普及によるデジタルネットワーク社会となった現在、電子書籍も話題になっています。発売された当初から小さなタブレットや端末1つでかなりの量の書籍を持つことができると話題になった一方、紙のページをめくる手触りこそ読書の醍醐味だという声もかなりあります
今週、東京で開催されている電子書籍関連の展示会「国際電子出版EXPO」では、電子書籍の普及によって書店の売上げを懸念する声に、電子書籍端末を書店で販売するというニュースも耳にしました

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       メロスはタブレットの中でも走ります


書籍の売上げに影響が出るというのは図書館にも関係する問題で、公共図書館のベストセラー複本購入(人気のある本を一つの図書館で数~数十冊所蔵する)は出版側から批判の対象になっています。購入しようと思っていた人達が、図書館でかりて読んでしまい売り上げに影響しているというのです。それに対し、納税者(市民)の希望に応えるのは当然だし、複本購入しなければその分売れるというのも疑問、「図書館にあるから読む」という人も多いのではないかというのが公共図書館側の主張です。CDやビデオの貸出も普及、いろいろな問題が出てくるのですね

さて、生涯学習(lifelong learning)という言葉を聞いたことがありますか?
幼児から高年齢に至るまでの生涯にわたり、なんらかのかたちで新しい知識・技術を学び成長し続けていきましょうと文部科学省も推進している計画です。公共図書館は、博物館・公民館とともに、生涯学習施設としての役割を担っています

様々な出版物を収集・保存し、様々なサービスを通じてすべての人々に提供する図書館の基本的役割はこれからも変わらないでしょう。さらに、インターネット等の電子情報へのアクセスを提供、電子情報を発信・保存することも重要な役割になります

これからの図書館はあらゆる主題の資料を収集し、あらゆる課題・調査研究にも対応でき、あらゆる分野の人々にも役立つ情報を提供していかなければなりません。これまで以上に多様化を求められています


*日本編はこれにて終了です。このシリーズで少しでも図書館に興味を持ってもらえたでしょうか?