内田樹さんの本・2
先生はえらい(筑摩書房)
これは「えっへん、先生は偉いんだからね」という本ではありません
「あなたがえらいと思った人、それがあなたの先生である」から始まります
高い知識や技術をもっているからえらい先生だ、というわけでもないようです。自分が「えらいなあ」と思わなくてはならないので、出会う前からいい先生というのは存在しません。そして、友達にとってのいい先生が自分にとってもいい先生とも限りません。ましてや、誰にとってもいい先生というのは、存在しないのです
「尊敬できる先生」とは「恋人」に似ているのだそうです。誰かを好きになるというのは「周りは色々言うけれど、私にはこの人が素敵に見える」という客観的な意見を断固無視した上で成り立ちます
それと同じで、誰も知らないこの先生のすばらしいところを私だけが知っているという誤解というか、思い込みで師弟関係ははじまるのだそうです
では、どうすればそんな先生に出会えるか?「えらいと思えるようないい先生に会いたいなあ」と待っていても来てはくれません。自分の足を使って、目を皿のようにして探さなくてはいけないのです
たくさんの人と出会って、かかわりを持ってはじめて気づく事です。では、どういう場合に人は誰かをえらいと思うのか?この本はそんな人とのコミュニケーション論でもあります
他にも内田さんの著書、共著、多数所蔵しています