3回目
今年も3/11がめぐってきました。
将来、医学、看護関係の進路を選ぶ人もいるでしょう。災害時の医療現場でのドキュメントを1冊。
石巻赤十字病院、気仙沼市立病院、東北大学病院が救った命/久志本成樹・監修 (アスペクト)
震災後の三大拠点となった医療機関。信じられない惨事の中で、壊滅した機能を再生させ、あらゆる連携を始め、命を救いだすためにどのような働きをしたのか。
水没地域の避難所からの連絡を受け、カヌーで救護活動に向かった石巻の医師。「すべての患者を受け入れる」という前例のない決意で後方支援を引き受けた大学病院。状況や規模がそれぞれ違う3つの病院の744時間(1か月)を追ったドキュメントです。
又、阪神・淡路大震災を経て設立されたDMAT(災害派遣医療チーム)。全国から集まったこの災害医療のプロと言われる集団が、どのように機能したのかも報告されています。
表紙写真のカードはトリアージに使われるタグです。トリアージ(triage)とは限られた医療資源(スタッフや医薬品等)の中で、傷病者を重症度と緊急性で分別し、搬送や治療の優先順位を決めることをいいます。迅速に判断し、その優先度によって色分けしたタグが傷病者に取り付けられます。
仙台ぐらし/伊坂幸太郎 (荒蝦夷)
仙台に暮らす作家・伊坂さんの震災前後に書かかれたエッセイ集。
仙台の喫茶店で原稿を書いていた当日の様子やその後の街の様子を淡々と綴っています。震災後、もう小説は書けないかもしれないと思い始めた時、友人が言われたという「今やっていることをやり続けなさい」という言葉をきいて、「僕は、楽しい話をかきたい」と思ったそうです。
巻末には「ブックモービル」という宮城県沿岸の被災地に本を届ける、移動図書館のボランティア活動を行う男たちの小さな物語が掲載されています。
校庭には半旗が揚げられていました