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エネルギーについて考える

 本校は平成26~28年度まで、経済産業省資源エネルギー庁主催の「エネルギー教育モデル校」に選ばれています。その一環として先日、中2・社会科で、日本のエネルギー問題についての授業が行われました。

授業では・・・
 現在、エネルギー問題を考えるうえで、避けて通る事の出来ない原子力発電所の課題。賛成か反対かの議論もとても重要だけれども、まずは現状のエネルギーや発電方法の現状を理解し考察できるようになってほしい。それぞれの発電方法の長所と短所を確認、理解して、将来のエネルギー供給方法の姿を考えるきっかけにしていきたい。

 授業を担当した中井先生が、今回、授業で「エネルギー問題」を扱うに当たり一気に、こんな本を読んだ。

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原発ホワイトアウト/若杉 冽 (講談社)

 現役キャリア官僚の著者による内部告発ノンフィクションになるでしょうか?
小説は衆議院選挙後のニッポンを舞台に、原発再稼働を虎視眈々と狙う電力業界、経済界、政界のトライアングルを克明に描いています。また、登場人物ならびに地名など、実際に実在するものを想起させる書き方になっています。

 著者はインタビューで「私が直接見聞きしている事実と間接的に見聞きしている事実、これを元に、いかに国民不在で再稼働を原発推進に向かって進んでいるのかをできるだけリアルに国民の方に伝えたかったのです」と答えています。

 授業においては、中学生の皆さんが将来の日本のエネルギーのあり方について真剣に考えてくれました。このような小説によって政治不信や無関心を助長するかもしれないけれど、日本の未来のためには良質の政治家や官僚のみならず、しっかりとした市民を育てていく必要があると思います。

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    本年度上半期のベストセラー10位にも選ばれています。
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 現在、エネルギー問題に関して各種メディアから情報が得られます。でもそれらは、他者の考えだとしっかり理解したうえで、自分の判断ができるようになってほしいそうです。こういったメディアリテラシーは、どんな場合でも必要で大事ですね。