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食欲の秋に、おいしい本を

 秋も深まり、いつも以上に食べることが楽しい季節。
読んで想像して楽しめる美味しそうな食べ物や食事シーンがふんだんに出てくる “おいしい本、あります” コーナーをつくってみました。

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 作家の中には、食べることが大好きな人がたくさんいます。エッセイには食べ物へのあふれる思いが。

 森鴎外の娘・森茉莉さんは自他ともに認めるたいへんな食いしん坊です。
貧乏サヴァラン、マリアのうぬぼれ鏡 (共に筑摩書房)
 バタァもない、卵もない、牛肉も刺身も買いそびれたし、ご飯を炊いてもおかずがない、そんな日の晩御飯を不愉快にしない方法、どれだけ好きなん?!と思わせる「シュウクリイム」に対する思い。
 自らの料理の腕も自慢で「一流ホテルのレストランより自分で作ったものの方が美味しい」と豪語。実際、鴎外も茉莉の料理をいつもほめてくれていたそうです。

 同じく作るのも食べるもの大好き、料理の本まで出版した向田邦子さん。
眠る杯、夜中の薔薇(共に講談社)
 脚本家でもあった向田さんはドラマの食事シーンの献立まで指定。得意料理のレシピを書いていても、その鍋をかき混ぜる手、使われる台所用品の描写など、ひとつの読み物の様です。

 他にも、サラダ好きのライオン/村上春樹(マガジンハウス)、くいいじ/安野モヨコ(文藝春秋)、ひと皿の記憶/四方田犬彦(筑摩書房)などなど。