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2016年01月14日

ゴリラも、いいですか

 申年ついでに、類人猿まで幅を広げてみます。
『猿の惑星』という映画があります。邦題では「猿」ですが、原題は『Planet of the Apes』 monkey(猿)ではなくapes(類人猿)です。

 類人猿とは、チンパンジー、ゴリラ、オランウータン、テナガザル。日本でいう猿(ニホンザル)とは違います。そんな類人猿の中でもゴリラに注目。そのゴリラの事を日本一知っていると言われるのが山極寿一さんです。

 京大・学生時代からフィールドワークで何度もアフリカを訪れます。野生のゴリラの群れの中に入るため一生懸命ゴリラになりきりったことで、遊びに誘われたり、一緒に雨宿りをしたり、抱きしめられたこともあるそうです。
                        ゴリラ(東京大学出版会) 

 またゴリラと言えば、胸をたたいて(ドラミング)威嚇し恐いイメージがあります。これは100年以上前、ヨーロッパ人によってゴリラが発見された時の印象で、その後つくられた映画「キングコング」によってイメージは決定づけられます。結果、多くの野生のゴリラが殺されたのだそうです。

 しかし、実際に群れに入り観察を重ねるうち、それには全く違った意味があることを探り当てたのが山極さんです。ゴリラが胸をたたくわけ(福音館書店)
 親子関係や仲間同士のいざこざ、その仲裁。ゴリラたちにつきあううちに、人間よりもゴリラ(オス)の気持ちの方がわかるようになったと語られています。

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             いかにも、な感じのキングコング 。 

 同じ類人猿であるチンパンジーとヒトのゲノムを比較すると98%以上が相同で、ほとんど差がないといわれています。ヒトに近しい存在なのですね。
 そういえば昨年、東山動植物園(名古屋)の1頭のゴリラが、「それはもう男前!」だとヒトの女子の間で話題になりました。確かに、男前かも・・・。

2016年01月09日

申年ですから、孫悟空

 今年は申(さる)年です。

 猿で、小説、といえば、西遊記/呉承恩。 花果山の石から生まれた孫悟空。
猪八戒、沙悟浄と共に、唐の国からはるばる天竺へ経典を取りに向かう三蔵法師を助け冒険の旅へ・・・。日本でも古くから親しまれている中国四大奇書の1つです(あとの3つは「水滸伝」「 三国志演義」「金瓶梅」)

          sarub2.jpg
  西遊記はダイジェスト版で伊藤貴麿訳の全3巻と、中野美代子訳の全10巻(共に岩波書店)があります。 

 そんな西遊記を、脇役にスポットをあてたのが中島敦です。教科書で彼の作品山月記を読んだ人も多いでしょう。

 旅の合い間のひと休み、悟空が八戒に変化の術を教える場面から始まります。
「いいか、ほんとうに、ほんとうに龍になりたいって思うんだ。本気の本気にだそ、やってみろ!」と悟空に言われた八戒 「よし!」と目を閉じ印をふみますが、姿が消えて現れたのは、残念、青大将(へび)。「ばか!」と悟空。何回やってもうまくいかない八戒に、「気持ちが足りないんだよ」と悟空。
 そんなやりとりを笑って眺める悟浄が、「悟空は確かに天才だよなあ・・・」と悟空と三蔵法師について、ただひたすら考える『悟浄歎異』

 もう1編は、旅に出る前、まだ川の底で暮らしていた悟浄がうじうじ悩む様子(「俺は堕天使だ!」とか言ってます)を描いた『悟浄出世』 
 どちらも、中国小説集/中島敦(ランダムハウス講談社) に収録されています。

 そんな短編2作を読んで「めちゃくちゃ面白い!」と思ったのが、「鹿男あおによし」「プリンセス・トヨトミ」で知られる高校生だった頃の万城目学。後に作家になった彼が、注目されなかったもう一人の旅のメンバーである猪八戒について描いた短編が悟浄出立(新潮社)です。
 併せて読んでみてはどうでしょう。

2016年01月07日

新しい年

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  新しい1年のスタートです。 
 今年も図書室は読書の場であり、みなさんが
 「自分の頭で考える」ための手助けの場で
 ありたいと思っています。

 さあ、2016年もがんばるぞ、と。

  明日からは貸出冊数が4冊に戻ります。

 *冬休み貸出の返却期限は1/13(水)です。