ゴリラも、いいですか
申年ついでに、類人猿まで幅を広げてみます。
『猿の惑星』という映画があります。邦題では「猿」ですが、原題は『Planet of the Apes』 monkey(猿)ではなくapes(類人猿)です。
類人猿とは、チンパンジー、ゴリラ、オランウータン、テナガザル。日本でいう猿(ニホンザル)とは違います。そんな類人猿の中でもゴリラに注目。そのゴリラの事を日本一知っていると言われるのが山極寿一さんです。
京大・学生時代からフィールドワークで何度もアフリカを訪れます。野生のゴリラの群れの中に入るため一生懸命ゴリラになりきりったことで、遊びに誘われたり、一緒に雨宿りをしたり、抱きしめられたこともあるそうです。
ゴリラ(東京大学出版会)
またゴリラと言えば、胸をたたいて(ドラミング)威嚇し恐いイメージがあります。これは100年以上前、ヨーロッパ人によってゴリラが発見された時の印象で、その後つくられた映画「キングコング」によってイメージは決定づけられます。結果、多くの野生のゴリラが殺されたのだそうです。
しかし、実際に群れに入り観察を重ねるうち、それには全く違った意味があることを探り当てたのが山極さんです。ゴリラが胸をたたくわけ(福音館書店)
親子関係や仲間同士のいざこざ、その仲裁。ゴリラたちにつきあううちに、人間よりもゴリラ(オス)の気持ちの方がわかるようになったと語られています。
いかにも、な感じのキングコング 。
同じ類人猿であるチンパンジーとヒトのゲノムを比較すると98%以上が相同で、ほとんど差がないといわれています。ヒトに近しい存在なのですね。
そういえば昨年、東山動植物園(名古屋)の1頭のゴリラが、「それはもう男前!」だとヒトの女子の間で話題になりました。確かに、男前かも・・・。