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ゴリラの森から、大学へ

 前回、紹介したゴリラ博士・山極寿一さんは、2014年10月から京都大学の総長に就任されています。その時掲げたキャッチフレーズが「おもろいことをやりましょう!」です。

 京大式おもろい勉強法/山極寿一(朝日新聞出版)
 自身の京都大学での学生時代や、アフリカでのフィールドワーク時代の経験を挙げながらの、若い人たちにむけた「野性的発想術」です。

 例えば、ジャングルは陸上における生物多様性が最も高い場所。それぞれが適合する場所や役割を構えて共存しながら一つの生態系を築いています。
 そういう意味では、いろんな分野の研究者がいて社会での多様性が高いと言える大学も又ジャングル。
 そんな場所で大事なのが、多様なものの存在を認めつつ、それを自分にうまく合わせつつ、なおかつ自分を失わずにいること。山極さんは、それこそグローバルな人間だといいます。
 今の京大でも、自分の意見はいえても人の意見が聞けない、自分と違う意見が出ると「その意見には賛成できません!」といって殻に閉じこもってしまう、つまり対話ができない学生が多いと言います。

 グローバルと言えば、まずは語学力と思うかもしれないけれど、アイデンティティをしっかり持つことが重要。いろんな人と出会い、相手の立場に立って物事を考え、自分の身にまとっている教養を表現でき、状況に応じて意思決定をして、自己主張が出来る。(む、むずかしい。)
 それに欠かせないのが対話。対話力の大切さを語られています(山極さんの学生時代はディスカッションすることが多く、そのおかげで身についたそうですよ)

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 以前、教職員対象の講演会で講師として来ていただいた時に著書にいただいたサイン。ゴリラのイラスト付き。