『江戸の戯画』展
現在、大阪市立美術館(天王寺区)で、『江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで 』という特別展が行われています。阪急電車の中つりポスターに惹かれ行ってきました。
戯画(ぎが)というと「鳥獣人物戯画」がよく知られています。風刺や滑稽さを盛り込んで戯れに描いた絵のことで、太平の世が続いた江戸時代には特に多く描かれたそうです。
今回の展示は、主に18世紀に大坂を中心に流行した「鳥羽絵」がキーワード。そこに描かれる人物は、目が小さく、鼻が低く、口が大きく、極端に手足が細長いという特徴を持っています。想像するだけでなんだか可笑しげでは?
浮世絵で有名な葛飾北斎や歌川国芳も影響を受けたと言われ、時代や地域により変化しながら、笑いの感覚は脈々と受け継がれてきました。
もし現世での職業に応じて様々な地獄に落ちたら・・・、役者は大根と一緒に煮られたり、お花の先生は花器に生けられたりとユーモアあふれる地獄絵や、擬人化された金魚の仕草が愛らしい「きん魚づくし」シリーズ。これは国芳の戯画の中でも人気が高く今回ベルギーから里帰り展示。他にもたくさんのおもしろい、かわいい、作品が楽しめます。
めでる国芳ブック どうぶつ/金子信久 (パイインターナショナル)
国芳のあたたかなまなざしで描かれた動物たちを集めた画集です。「きん魚づくし」の中の1枚、夕涼みに繰り出す金魚たちが表紙を飾ります。
美術館エントランスにはこんな撮影スポットもありました。
会期中は展示の入れ替えがあります。→大阪市立美術館「江戸の戯画」
残念ながら全部そろった「きん魚づくし」が見られるのは前期のみです。