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五月晴れ

 やはり雨は嘘をつかない/皆藤黒助 (講談社)

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 高校1年生の五雨(いさめ)は、誕生日(6月)も、運動会や遠足等のイベントもほぼ毎年雨という公私ともに認める筋金入りの雨女です。当然、雨が大嫌い。
 そんな五雨が自分の名前の由来になったと思われる不可解な写真とメモを見つけます。その謎の相談を持ちかけたのが、雨の日にしか登校してこないといわれる雨月先輩。こちらは五雨と対照的に雨が大好き。 
 「日本には雨に関する言葉が千を超えるほど存在している。雨もきちんとそれぞれの名前で呼んでやるべきだ」 
 人は誰しも一つぐらい好きなことがあります。スポーツ、読書、音楽、ゲーム・・、そういう意味では雨月先輩にとってそれが「雨」なのです。
 糸雨、虎が雨、白雨、白撞雨(はくどうう)、青葉雨、紅雨、次から次へ雨月先輩の口から出てくる雨の名前。日本には本当にたくさんの雨の名前があるんですね。
 五雨は名前の由来の謎が解けて、雨が好きになるのでしょうか・・・。雨にまつわる3つの物語。

 五月晴れは、もともと今日のような梅雨の晴れ間を意味する季語(梅雨を意味する五月雨の晴れ間) ただ、最近は5月のさわやかな晴れわたった空の意味としても使われるようです。