文化祭2日目

多くの学校では文化祭と体育祭が伝統的行事として(発足以来続けられているのかもしれない)毎年盛大に開催されているが,その中身は学生気質や時代の変化とともに大きく変わってきている。概して,「楽しむ」要素を多く取り入れていく傾向にあるように思う。例えば,体育祭はスポーツイベントとして競争よりはマスゲームに,文化祭は,模擬店・ダンス・お化け屋敷など夏祭りに似た催しが盛況である。こういう,「短期間に,すぐに,そして楽しく内輪受け」するものが流行るのは,おそらく,学生が忙しくなったこと,娯楽の幅が広がり,興味を示さなくなったこと,安全確保の観点から入場制限・平日開催となったことなどが影響しているのだろう。
先日亡くなった赤塚不二夫はイヤミの「シェ~」や「天才バカボン」のパパ「これでいいのだ。」等々,数々のナンセンスギャグを生み出した。数々の奇行の持ち主として知られるが,彼には,中学卒業後看板屋を2年,その後工員になりながら手塚治虫に憧れて漫画家を目指してひたすらマンガを描き続けた苦労の時代がある。「ほどほどに,まあまあ」では満足しなかった経験が,計算されたギャグを生み出す素地となった。
学校は行事が中心ではないが,それでも,「祭」ではなく「文化」に比重を戻してやらねばならないのではないかと思う。内輪だけで楽しみ,表面だけの真似や形だけに終わらせないで,「見せる」ことに拘り,難しいことに挑戦して,それぞれの文化の神髄に迫ってほしいと願う。やはり,今回の文化祭や合唱コンクールにその姿勢で臨んだクラスは見事だったと思う。「これでいいのだ。」

