第1回学年懇談会を終えて
昨日は学年懇談会にお越しいただき、ありがとうございました。
入学早々、少し刺激的な内容だったかもしれません。しかし、お子さまの可能性を少しでも大きく伸ばすお手伝いをしたいと、われわれ学年担任が考えてきた内容をお伝えしたつもりです。もちろん完成された教育方法ではありませんので、親御さんと相談しながら、よりよい方法があれば取り入れていきたいと考えております。学校へ頻繁にお越しいただくだけの労力に見合う内容の懇談会を用意してまいりますので、今後とも積極的な参加をよろしくお願いいたします。
懇談会の話のうち、誤解を生むかもしれない内容について少し説明をさせていただきます。
中学改革の説明の中でコースを2つに分ける話が出てきました。これを成績で上下のクラスに分けるように受け止めていただいては困ります。世の中では三浦展さんの「下流社会」「格差が遺伝する!」に代表されるように、二極化した階層が広がっているような危機感があります。三浦さん自身はそれが単純に経済力の格差ではなく、生活の質の格差であると説いておられるのですが、少し前に使われた「勝ち組・負け組」と同じようなニュアンスで扱われているように思います。現在のカリキュラムでは中学3年の段階で「応用」「標準」とクラスを分けているのですが、これを「上のクラス」「下のクラス」と捉えるのは間違いです。
学年ではすべての生徒に意欲をもって中学生活を送ってもらいたいと考えています。学業はもちろんのことですが、それだけではなく部活動や生徒会活動にも積極的に参加し、体育大会や文化祭ではより高い目標をもって取り組むように指導しています。テストで点数がとれたらあとはどうでもいいというような姿勢は採りません。ただ、学力に関しては幅があるのも事実です。小学校時代、早い時期から中学受験を意識して学習に取り組ませてこられたご家庭もある一方で、中学入学まではのんびりと過ごさせてこられたご家庭もあります。どちらが良い・悪いではなく、それはご家庭の家風とか方針によるものです。
早い時期にスタートを切らせたお子さまにはそのアドバンテージを生かしてあげたい。学校の授業でも指導要領以上の深い内容を取り込んで、もっている力を発揮できるように少し高い課題を用意したいと考えています。先ほど書いたように、学業以外の活動にも力を入れ、なおかつ現高校1年生の選抜特進コースと同等の進学目標を目指して行こうと考えています。
一方、中学に入ってからスタートを切ったお子さまには焦ることなく力をつけさせていきたい。少しスタートが遅れたとはいえ、高校から入ってくる生徒のように3年間のハンデがあるわけではないのです。着実に力をつけていけば、6年間の時間の中では十分に進学に必要な学力は身につきます。そのためには、家庭学習を含めた学習習慣を早く定着させることです。点数だけを見て一喜一憂しないでください。席次を単純に比較しないでください。お子さまにはそれぞれその子の特性がありますから、一生懸命とりくんでいる間は信じてあげてください。親御さんのお子さまへの信頼が成績が伸ばすために必要なのです。
次回、6月30日の第2回学年懇談会では、このあたりの具体的なお話しができると思っています。