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学力の向上について⑭

 Output型の授業について書きます。数学のような問題演習中心の授業のことです。でも、これは理系科目ということではありません。英語の授業で指名されて「次の段落を読んで、日本語に訳して」と指示され、それを答えると「そこは…のほうがいいね」と修正されるようなものもOutput型の授業です。暗記中心のInput型学習しかできないタイプの生徒にとっては取り付きにくい科目が多いようです。中学生のように精神的に幼いとその傾向は強くなります。ところが入試を含めテストでは知識を答案に出力する能力を問いますから、Output型の授業についても疎かにはできないのです。

 Output型の授業では予習が不可欠です。重要なことは、自分が予習で用意していった解答と授業で示された模範解答がどれだけ違うかを比較することです。予習と授業を通して自分の答案に不足しているものは何かを探し、同じ失敗をしないように修正するのが正しい姿勢と言えます。予習をして授業に臨まないと授業効果がまったくないと言ってもいいでしょう。

 予習ではノートの左側のページに自分の解答を書き込みます。右側のページは授業で模範解答を書き込むので空けておきます。また、解答の下にテスティング・ポイントを簡単に書き込みます。テスティング・ポイントとは「その問題で試されている知識」のことです。英文和訳の問題での It is too ... to ~の構文のようなポイントとなる文法事項や、三角関数の問題での効率的な計算・式変形の仕方などがこれにあたります。授業中にはテスティング・ポイントがどこかということに集中して話を聞くようにします。板書の模範解答を覚えるために授業を受けているのではありません。

 中学1年生では、Output型の授業よりもInput型の授業が多いかもしれません。しかし、小学校時代よりはOutput型の授業の割合は多くなりますし、学年が上がればなおさらのことです。知識を記憶する能力も小学生→中学生→高校生と変化していきます。それに対応できるかどうかによって、成績も大きく影響されると思います。次は「勉強のおまじない」について書きます。