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こんな本を読んでみませんか21

 今日は福澤諭吉の「学問のすゝめ」を紹介します。岩波文庫からも講談社学術文庫からも出ていますから入手は容易だと思います。冒頭の「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり」は知っているしょうが、生来平等な人間に差異をもたらす学問の意義を平易な文章で説いた本書を読み通したことがある人はそれほど多くないのではないでしょうか。明治期に書かれたのですが、今なお内容が古びていないのには驚かされます。学問の意義、国家と法、西洋思想、独立自尊、国際社会における日本など今の啓蒙書でもありそうな章立てで、慶応義塾大学の学生でなくとも読んでおく価値は十分にあります。

 また、福澤諭吉は大阪に縁のある人物です。2~3年の短かい期間でしたが、大阪の適塾で学んでいました。適塾は緒方洪庵が開いた蘭学塾で、福澤諭吉だけではなく、大鳥圭介,橋本左内,大村益次郎,長与専斎,佐野常民,高松凌雲など、幕末から明治維新にかけて活躍した多くの人材を輩出しました。明治維新後は、大阪医学校(現在の大阪大学医学部)に引き継がれ、その幕を閉じました。適塾の建物は現在も大阪大学によって保存されており、一般公開されています。大阪の学問の系譜を知るために、こちらを訪れるのも悪くないかもしれませんね。
適塾 http://www.osaka-u.ac.jp/jp/annai/about/tekijuku/index.html
A.M.