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中学生に読ませておきたい本 6

 今日は指定図書から2冊目の紹介をします。ドイツのノーベル賞受賞作家ヘルマン・ヘッセ Hermann Hesse の「デミアン」です。ヘッセの有名な作品には「車輪の下」がありますが、中学生にはそれ以上に読んで欲しい作品です。「春の嵐」,「シッダールタ」,「荒野のおおかみ」などヘッセの作品には疾風怒濤の青年期に入る彼らにとって、衝撃と共感が得られる何かが込められているように思います。
 ラテン語学校に通う10歳の少年シンクレールはつまらない嘘のために不良少年フランツ・クローマーの手下にされてしまうが、その窮地を救ってくれたのが老成した年上の少年デミアンだった…主人公シンクレールは第一次世界大戦後にヘッセ自身の辿った精神的な遍歴を投影したものです。既成の価値観を受容できずに荒れ、自分の感性をたよりに理想を追い求め、他人や自分をも傷つけながらも自分の内面を見詰め直す時期にさしかかるちょっとおませな中学生たちにお薦めです。A.M.