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中学生に読ませておきたい本 7

 前回はヘッセの「デミアン」を紹介しました。今回は少しマイナーかもしれません。イギリス出身のアラン・シリトー Alan Sillitoeが書いた「長距離走者の孤独」を紹介します。映画化されたらしいのですが1960年頃のことですので、あまり知られていないかもしれませんね。私は大江千里の曲のタイトルがきっかけで知った記憶があります。(調べたら1986年のアルバム「AVEC」に収録されていました。)

 初々しさや若さ、青臭さが感じられる短編小説です。感化院の院長に促されて出場した長距離走で、スミス少年がわざと負けることで、権威や社会体制の欺瞞と決別しようとするという内容は、ともすると世の中に流されているだけと感じている中高生にとって、どういう生き方をすればいいのかを考えるきっかけをつくってくれるかもしれません。A.M.