« 1月15日の連絡帳 | メイン | 1月16日の連絡帳 »

冬休みの読書状況から④

 今日は灰谷健次郎について書きます。1934年神戸に生まれた彼は、大阪学芸大学(現・大阪教育大学)を卒業後、小学校で17年間教職に勤めます。その後、「兎の眼」で児童文学者としてデビューし、指定図書「太陽の子」のほか、「天の瞳」を発表しました。

 指定図書の「太陽の子(てだのふぁ)」ですが、タイトルからもわかるように沖縄に関わる小説で、第1回路傍の石文学賞受賞作品です。2年後の研修旅行先でもある沖縄は南国のリゾート地というだけではありません。60年以上経った今なお戦争の傷跡が人々の心の中に残っていて、それがふとしたきっかけで表に出てくるのです。主人公のふうちゃんのお父さんも神戸の下町で琉球料理の店を営んでいましたが、心の中で戦争が続いているために心の病気になってしまいます。関西の言葉でテンポ良く書かれていてジメジメしていないので、読み進めやすいとは思いますが、読み終わった後に何か残るのではないかなと思います。研修旅行に行く前には読んでおいて欲しい作品の1つです。A.M.