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終戦の日

 マスコミでも取り上げているように63回目の「終戦の日」です。

 甲子園での高校野球も北京オリンピックも少し横へ置いて、「戦争」や「平和」について考える時間をとる日だろうと思います。ずいぶんと長い時間が経ってしまって、戦争の実体験をもつ人があまりそばにおられないかもしれません。でも、この日だけはいろいろなメディアでも取り上げるので、考えるきっかけはあるだろうと思います。

 8月15日に「全国戦没者追悼式」がおこなわれていることもあって、8月15日が「終戦の日」として定着していますが、1945(昭和20)年のこの日は「玉音放送」があった日です。前日8月14日に「終戦の詔勅」が発せられ、連合国に対して「ポツダム宣言」受諾の通告がなされました。軍への正式な停戦命令が行われたのは翌日8月16日です。日本国が連合国に対して正式に降伏を行ったのはポツダム宣言受諾の降伏文書に調印した1945年9月2日ですから、アメリカでは「対日戦勝記念日 (V-J Day)」は9月2日です。国際法上の正式な戦争終結は「サンフランシスコ講和条約」が発効した1952(昭和27)年4月28日となります。

 あなたたちが研修旅行に行く沖縄では少し事情が違うことも知っておいてほしいと思います。地上戦が行われた沖縄では、6月23日に組織的な日本軍の抵抗が終結しました。このため、現在、沖縄県では6月23日を「慰霊の日」としています。しかし、その後も、日本軍による抵抗は続き、9月7日になって南西諸島守備軍が降伏調印して、沖縄戦は公式に終結しました。このため、沖縄県の公式慰霊施設である「平和の礎」では「沖縄戦終結の日」を9月7日としています。

 数千万人の死者を出した第二次世界大戦や、アジア・太平洋方面でおこなわれた太平洋戦争という大きな戦争が一瞬で終結することなど不可能です。関わった人々の気持ちも考えると、60年以上の時間が経ってもまだ終わっていないと言えるかもしれませんね。