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食について考えてみませんか①

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 食の安全性への関心が高まってきて、マスコミではたくさんの化合物名が取り上げられるようになりました。冷凍食品に混入していて問題となった「メタミドホス」「ジクロルボス」,ウインナーや粒あんから検出された「トルエン」,粉ミルクに端を発した「メラミン」と、毎日のニュースを見ていると、まるで化学の授業を受けているような気さえしてきます。ついこの間までは、アメリカ産牛肉は「BSE」の危険性があるからと、ファーストフードが販売を取りやめていましたよね。

 「危険な食品」と「安全な食品」の2種類に分けて考えてはいませんか? 食品には大なり小なり健康に対するリスクが伴います。それが、健康や生存を脅かすくらい大きなものなのかどうなのかを見極めることが大切ではないでしょうか。たとえば、BSE(牛海綿状脳症)ですが、食べてvCJD(変異型クロイツフェルト・ヤコブ病)にかかる確率はどのくらいの大きさだと思いますか? スズメバチに刺されて死ぬ確率の1,154分の1,餅をのどに詰めて死ぬ確率の43,962分の1,入浴中に溺死する確率のなんと384,615分の1しかないそうです。

 もちろん、0に近づけるための努力は貴重だと思います。ただ、そのために払っている犠牲にも目を向ける必要があるでしょう。すでにBSE対策として4000億円あまりの国家予算が投入されています。米国産牛肉の輸入停止では6000億円近い産業の経済損失が生じたそうです。その費用で救える命がどれだけあるのかを考えると、正しい知識とバランス感覚が必要だという結論が導かれるのではないかなと思います。A.M.