試験のための勉強
今週から後期中間考査が始まります。お子さまたちの普段にもまして勉強に熱が入る姿を見ていると、「頑張れ」と声を掛けたくなります。教室や職員室でも質問に来るお子さまをよく見かけます。でも残念なことに全員が質問に来るわけではありません。来ているのは、日頃からコツコツと学習に取り組んでいるタイプのお子さまなのです。
テストはそのときの学力を測るものです。もちろんすべての学力ではなく、一部にすぎないでしょうが、それでも高い方が望ましいでしょう。ただし、試験は手段であって、目的ではありません。良い点数を取ることが大切なのではなく、自分がどこまで理解していて課題は何なのかを確認するためのものです。日頃から勉強しているお子さまは問題集に取り組む中で、どこが理解できていないかを確認できるから質問に来ることができるのです。
以前より紹介している「基礎学力を考える」サイトで、名古屋大学の平野眞一総長も「学力は累積。大学で「学問のなりわい」を知ってほしい。」の中で、「大学で養うべき学術基礎力や総合力のベースとなるのは、小学校から高校まで連綿と積み重ねてきた基礎学力と、学ぼうとする意欲に他ならない。」と書かれています。毎日机に向かう習慣のないお子さまを試験前だけ叱咤激励するのは、お子さまに「勉強した」と錯覚させるのではないでしょうか。A.M.