本を読もう Think the Earth ⑩
10冊目は福岡伸一さんの「生物と無生物のあいだ」を紹介します。中学2年生の理科第2分野では生命科学の基本的な話をしましたから、もう少し知りたいというお子さまにはいいかもしれません。「生命とは何か」という生命科学最大の問いに分子生物学はどう答えるのかを、ミステリーのようなタッチで描いています。内容はけっして平易ではありませんが、読めてしまうところが福岡伸一さんの凄さでしょうか。性染色体や性決定に触れた「できそこないの男たち」も併せてお読みになってはいかがでしょうか。SRY遺伝子の発見を巡る研究者の競争を織り込みながら、「女と男の本当の関係」を解き明かしてくれます。A.M.