人権映画会「おくりびと」を見て ⑤
初めての仕事に立ち会った大悟は、夕食のときに刺身を食べられませんでした。クリスマスのときに、フライドチキンを食べながら、生栄さんは「おいしいね。困ったことに。」と言っていました。この場面を見たときに、人間は亡くなった生き物をいただいているのだということや、人間にもいつかは死が訪れるのだということが、心に深く刻まれました。
人間は生き物の死体を食べているにもかかわらず、人間の死体を納棺する仕事と聞いたとき、大悟を避けようとしました。私自身もそうだと思うので、人間って勝手だなぁと思います。納棺師という仕事に就く人がいなければ、誰も納棺する人はいなくなるのに、みんなは避けようとする。でも、納棺という仕事を目の前で見た人は、大悟を理解する。仕事って難しいなぁと思います。D組K.N.
感動したところの一つが、最後の小林大悟の父が亡くなったところでした。息子を六歳のころに置いて出て行き、母に息子の世話をさせたので信じられませんでした。自分のたった一人の息子なのに、なぜ置いていけるのか不思議でなりませんでした。死ぬまでに、一度は大悟に会いに来てほしかったと思います。父が亡くなって大悟が行くのを拒んでいたのは、何となく分かります。でも、身勝手なことをされても、本当の父を見捨てることは出来ないんだなと思いました。納棺しているとき、父の手に昔大悟があげた石を持っていたのを見て、ずっと大悟のことを思っていたと思うと、親子というのは何があっても消えることがない深いもので結ばれているんだと思いました。D組N.M.