選特化学 授業の補足 3
Niels Henrik David Bohr 1922年ノーベル物理学賞受賞
原子の構造や電子配置について説明しました。分かりにくくて質問が出ていたのは、M殻に収容できる電子数は18なのに、なぜ8個で閉殻構造になるのかという点でした。高校化学では副殻軌道(オービタル)までは扱わないので、「最外殻は8個」と覚えるように言いましたが、気になる人のために説明です。
K殻,L殻,M殻は主殻とよばれる電子殻です。主殻に収容される電子の最大数は2n2で示されますから、M殻は18個ということになります。主殻の中には副殻軌道があり、M殻にはs, p, dの3つの副殻軌道に分けることができます。原子番号18のArでは、M殻のs, p軌道の8個は満たされています。この次に電子が入りやすいのは、M殻のd軌道ではなく、N殻のs軌道なので、原子番号19のKではN殻に1個追加されます。