選特生物 授業の補足 3
細胞膜の構造として「流動モザイクモデル」を説明しました。生体膜は二層のリン脂質でできており、そこにさまざまなタンパク質が浮かんでいます。タンパク質は、膜を通じて物質を移動させるゲートの役割をしたり、外からの情報(化学的シグナル)を受け取ったりします。細胞への物質の出入りの調節をタンパク質がおこなっているという話は次回にします。
大きな分子が膜を通過するには、その分子を膜で包んで小胞をつくる方法を取ります。細胞外にあるタンパク質やウイルスなどは細胞膜に包みこんで細胞の中に取り込み、リソソームと融合して細胞内消化されてしまいます。これをエンドサイトーシスといいます。マクロファージの食作用や原生動物の食胞が例としてあげられます。一方、細胞内のタンパク質は合成された後、ゴルジ体に貯蔵され、小胞に包まれて細胞膜の方へ移動し、細胞膜と融合して細胞外へ分泌されます。これをエキソサイトーシスといいます。ニューロンでの神経伝達物質の分泌などが例としてあげられます。細胞膜という境目があるのではなく、ダイナミックに活動していることに注目してほしいと思います。