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選特生物 授業の補足 5

実力考査【8】解説
 A槽のマルトース溶液とB槽のグルコース溶液を半透膜で仕切って放置するとB槽の液面が高くなったのは,B槽のグルコース溶液のほうが濃かったためです。問題文では質量濃度で与えられていましたが、ここで必要なのは浸透圧と比例関係にあるモル濃度であることに注意しましょう。ちなみにマルトースは二糖類で分子式はC12H22O11, 分子量は342ですから、単糖類であるグルコースの2倍近い質量を溶かさないと同じモル濃度にはなりません。
 次にマルターゼを加えると、1分子のマルトースは2分子のグルコースに分解します。つまりA槽のモル濃度は2倍になるので、B槽からA槽に向かって水が移動することになります。A槽の液面が高くなったのは、A槽に入っている液の浸透圧が大きくなったからなのです。

 原形質分離していたときのショ糖液の濃度は8.1g÷342g/mol÷50mL×1000mL/L=0.473mol/Lです。浸透圧と細胞の体積は反比例するのですから、等張液に浸したときの細胞の体積が1.5倍であるということから、等張液の濃度は0.473mol/L÷1.5=0.315mol/Lであると求めることができます。化学でモル濃度を学習したので、計算問題を入れてみました。