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太陽電池を作ってきました

 期末考査中でしたが、京都でおこなわれた実験研修に参加してきました。テーマは「色素増感型太陽電池の制作」です。エネルギー問題が現実味を帯びている近年、太陽電池は非常に身近なものになりました。設置している家庭も増えていますし、本校でも高校校舎屋上に設置しています。これらの多くはpn接合型であるシリコン系のものがほとんどです。今朝の新聞にも世界最高効率の太陽電池の記事が載っていました。今回製作してきたのは、有機色素としてムラサキキャベツのアントシアニンを抽出し、それを酸化チタンに吸着させ、電解液と一緒にガラスに挟み込んでつくる「色素増感型」のものです。構造が単純で、材料も安価なため、現在普及している多結晶シリコンの1/10程度のコストで製造できると考えられています。

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 いずれ生徒のみなさんにも制作してもらうつもりですが、その前に少なくとも3つの知識を身につけてもらわなければなりません。1つ目は植物の光合成のしくみです。太古から太陽の光エネルギーを利用して来た植物から抽出した色素を使用します。クロロフィルやアントシアニンに光が当たるとどのような反応が起きるのかを理解することが必要です。これは生物の授業で生化学を扱うときに学びます。2つ目は電池のしくみです。電池は電子のやりとりである酸化還元反応によって説明できます。授業では化学反応を利用する化学電池を中心に扱いますが、光起電力効果を利用する太陽電池(光電池)にも触れる予定です。これは化学の授業で学びます。3つ目はエネルギー問題を含めた社会とのつながりです。科学の知識は社会に役立てるために使われます。社会に役立つ人材となるべき皆さんはそのために勉強しているはずです。話が長くなりました。では、月曜以降の試験も頑張ってください。