« 春季講習最終日 | メイン | 国連高校生セミナー Report① »

放射線、放射能…って何? ①

earth_fruit1_3.jpg
 福島第一原子力発電所の事故が連日報道されています。被曝された作業員の方や避難を余儀なくされている方がいると聞くと、早く収束に向かって欲しいと思います。また、水や野菜などの農作物が汚染されたと聞くと健康被害のことも気になります。気になってニュースを見ていても、聞き慣れない言葉がたくさんでてきて、よくわからないかもしれませんね。理科の授業でもあまり扱わない範囲なので仕方ないのですが、簡単に解説してみたいと思います。

 まず、放射線を出す性質を「放射能」といいます。命名したのはキュリー夫人です。だから、ゴジラが放射能をまき散らすのはおかしいですね。出していたのは放射線か、放射能物質のはず…。では、「放射線」とは何か。放射線にはα線,β線,γ線などがあります。レントゲンが発見したX線も放射線の一種です。α線はヘリウム原子核の流れ、β線は原子核から出た電子の流れ、γ線はエネルギーの高い電磁波です。

 原子の中には不安定で原子核が壊れて、別の原子に変化するものがあります。この反応を「放射性壊変」といいます。化学の授業では、質量保存の法則を基に「反応の前後で原子は変化しない」というお約束がありましたから、放射性壊変は扱いませんでした。同位体の話をしたことを覚えていますか。陽子数が同じだが、中性子数の異なる原子どうしを「同位体」といいます。同位体は同じ元素ですが、「核種」が違います。区別するために元素記号の左肩に質量数を書くのでしたね。この同位体の中に、α線やβ線を出して核種が変わるものがあるのです。これを「放射性同位体」といいます。

 一気には説明できなさそうなので、何回かに分けて説明したいと思います。左巻健男さんが「放射線や放射能」について、雑誌に投稿した記事を見つけたので参考にしてください。電気事業連合会でもこんな映像をみつけました。こちらのほうが分かりやすいかもしれません。「偉人たちとの授業~放射線を知る~その1」