« 体育大会練習風景 | メイン | 選特化学 授業の補足16 »

選特生物 授業の補足16

 文系は神経のはたらきに入りました。前回は神経細胞の間の伝達には化学物質がはたらいていることを学びましたね。末梢神経である体性神経や副交感神経にはアセチルコリン,交感神経にはノルアドレナリンがはたらいています。脳の中でも同じように神経伝達物質によって、興奮の伝達がおこっているのですが、これが何種類もあることを話しました。例えば、セロトニンを分泌する神経細胞は30~40%とかなり多い。このセロトニンのはたらきが少ないとハーム・アボイダンスが高い、つまり心配性で不安になりやすいことがわかっています。プロザックやブスピロンのようなセロトニンのはたらきを良くする薬も開発されています。

 感情や気分など人間の脳のはたらきを、生物学や化学で説明することが可能になってきています。先日おこなわれた薬物講習会の内容も、知識があれば防げることでしたね。興味がある人は東京大学大学院総合文化研究科の石浦章一先生「遺伝子が明かす脳と心のからくり」を読んでみてはいかがですか。実際に文系生命科学の講義で取り上げた内容をまとめています。図書室に置いているといいね。シリーズには「生命に仕組まれた遺伝子のいたずら」「遺伝子が処方する脳と身体のビタミン」があります。