大阪大学高大連携講座 Report⑥
今回は「ナノサイエンスの世界」を受講しているY.T.さんの報告です。
今日の内容は、今までに受けたセミナーをもとに、この講義の受講者16人と教授1人,教授の補助1人の18人で議論するものでした。テーマは特に設定せず、「ナノ」に関することを自由に話し合ってきました。話し合った結果、「ナノは小さく、バラエティ豊かであるという利点を持つため、人類の発展に役立つのではないか。しかし、その小ささから(肉眼では見えないため)信憑性が乏しくなってしまうものだ。」という意見で納まったように思います。(もちろん、90分もかけてこれだけしか意見が出なかったわけではありません。かなり簡潔にまとめました。)
今回の議論でK高校の2年生女子が発表したものを例に挙げると、世の中にはリード化合物(註:新薬の候補となる化合物のこと)というものがあるそうです。ガン細胞に寄っていくリード化合物にガン細胞をやっつける薬を載せると、副作用や免疫力の低下の心配をしなくてもいいものができるそうです。(Nature 2011年7月号より)しかし、そのリード化合物が目に見えないとして、果たして世の中の人は喜んで体内に取り込むだろうか?ということです。
なるほど、そう考えるとナノサイエンスは恐ろしい…と考える人もいるでしょう。しかし、ナノレベルで物を見ることは、物の本質を見極める一つの方法だと思います。花粉に触ったって痛くないけれどとげとげしているモノもある。アリは実はめちゃめちゃカッコイイ顔立ちをしている。こうした「発見」が見られるからです。この発見がいつしか「発明」につながるのだと思います。